「カメラを趣味で始めてみたい」
「スマホカメラで写真を撮るのが楽しいから、本格的なカメラが欲しくなった」
など。
カメラを始めようとするきっかけは、様々だと思います。
私も大学の友人と行った、北海道の卒業旅行をフィルムカメラで撮影した事が始まりでした。
フィルムカメラを知らない人もいると思いますので、簡単に説明すると、撮りたい物をカメラで「フィルム」に焼き付け、カメラ屋さんで、「現像」してもらい、同じくカメラ屋さんで「プリント」してもらい、初めて「写真」として目で見る事が出来るものでした。
「フィルム」にも色々な種類がありますが、私のような一般の人は「ISO100」とか「IOS400」とかの感度を選び、何枚とれるかの枚数を選ぶくらいしかありませんでした。
(枚数は、「24枚撮り」か、「36枚撮り」が選べましたが、それにより値段が違いました。)
当時、APSフィルムと呼ばれる、フィルムの一種を使うコンパクトなフィルムカメラを使っていました。 特徴として、カセットタイプになっていて、フィルムの頭出ししたり(フィルムをカメラにセットする際、何回か巻いて1枚目の記録できるところまで巻く作業)する手間が無く、電池交換感覚でフィルムの交換が可能なカメラでした。
ただ、学生や社会人成り立ての人にとって、ランニングコストがかかるフィルムカメラの趣味は、敷居の高いものでしたので、この頃の私も、趣味にすることはありませんでした。
ランニングコストの内訳
→フィルム代、現像代、プリント代として、24枚撮り1本で3000円位
一度に、フィルム4~5本をプリントまですると、100枚チョットで1万数千円位かかりましたので、とてもお金のかかる趣味でした。
ちなみに、撮影した結果がピンぼけや、真っ黒、真っ白なんてのは、初心者あるあるでしたね。3000円払って、手元に届いた写真の1~2割が失敗写真なんてことは、多々ありました。
それからしばらくして、デジタルカメラが登場して、これまでのランニングコストの悩みからは開放され、また、撮影した結果がカメラ背面の液晶モニターですぐに見える(当時のカメラの背面に付いている2~3インチのモニターでは、正確に写真の詳細を確認をするものではなく、白つぶれや真っ暗に写っていない事を確認出来る程度の解像度しかないものがほとんど)のも、当時、衝撃を受けたものでした。
もちろん、出始めのものはとても高額であった為、しばらくしてコンパクトデジタルカメラを買ったのが、デジタルカメラとの出会いでした。
今、カメラを始めるならミラーレスカメラが一番良い、5つの理由
プリントアウトするまでは、何枚撮っても、お金がかからない!!
正確には、カメラ本体とレンズと記録メディア(SDカード、CFexpressカード等)の代金が必要で、紙の写真へプリントアウトするには、その枚数分プリント代がかかります。
→ フィルムカメラの時では考えられない、ランニングコスト
デジタルカメラが発売されて一番の嬉しかった事は、この何枚撮ってもお金がかからない事でした。
失敗写真を気にすることなく、何枚でも撮って、後から失敗写真は消せば良い。このことは多くの写真を撮る人の希望だったと思います。また、色々な角度から撮影したり、動く被写体を何枚も連続で撮影したりと、カメラの趣味の幅を広げる物だったと思います。
ただ、当時は記録メディアが乱立していて、メーカーによって使えるメディアが決まっている状態でした。メーカー毎に、開発に関わっているメディアを推すことは仕方のない事ですが、ユーザー側としてはいい迷惑でした。
現在は、SDカード(SDXC)にほぼ統一されています。一部CFカードやCFexpress、XQDなどありますが、高速連射などに特化した高級機に多く採用されていますので、考えなくても大丈夫です。 最近は、SDカードの価格も安くなってきていて、ユーザーとしては嬉しい限りです。 16GBのSDカードは、1000円~2000円位で買えますし、パソコンにその都度データを移せば、毎回、1000枚以上は撮影できます!
現在販売されているカメラについて(2022年8月現在:新品について)
デジタルカメラとして、家電量販店などに売られているカメラは、色々な種類がありますが、大きく分けてレンズ一体式カメラ(コンパクトデジタルカメラや、GoProなどのアクションカムなど)とレンズ交換式カメラ(デジタル一眼レフカメラ、ミラーレスカメラなど)に分けられます。今でも両方のカメラが売られていますが、今回は、レンズ交換式カメラについてお話しします。
始めに、レンズ交換式カメラのメリットについて
1,レンズを交換することで、色々な写真が撮れる
(広角レンズで目の前の広々した風景を撮る)
(マクロレンズで、花のしべを大きく撮る)
100mm F2.8 MACROレンズの事を書いた過去記事は下記を参照ください。
(望遠レンズで遠くの野鳥を撮る)
2,堅牢性が高く、多くのプロのカメラマンが使っている
プロカメラマンが、仕事の現場で酷使しても壊れにくい強度を持っているので、プロでない私達が使っても壊れにくい
3,カメラメーカー各社のフラッグシップモデルは、レンズ交換式カメラである事で分かるように、撮れる写真が綺麗です。
家電量販店のカメラコーナーの店頭に飾ってある写真は、各メーカーのフラッグシップカメラで撮ったもが多く、綺麗な写真です。その、フラッグシップカメラで採用された新しい技術が、下位モデルにも使われているため、多くのレンズ交換式カメラで撮れる写真も綺麗です。
次にレンズ交換式カメラのデメリットについて
価格が高い
基本的に、カメラ本体で10万円を下回るものが少なく、これにレンズの値段が加わるので、10万円を超える予算が必要
堅牢性が高さに比例して、カメラ本体の重量が重くなる
レンズも同様で、一部の「神レンズ」と呼ばれる物以外は、綺麗に撮れるレンズは重量も重いものが多い。
※「神レンズ」とは、価格が安いのに、綺麗に撮れるレンズの事を指します。
CANONのEF 50mm F1.8や、NikonのAF-S 50mm F1.8Gなど。
店頭には、ミラーレスカメラの展示が多くなり、前からあるデジタル一眼レフカメラがほとんど見られなくなってきました。これは、使い易いミラーレスカメラが、各カメラメーカーの主力に代わっていることが要因だと考えられます。
デジタル一眼レフカメラとミラーレスカメラの違いに関して
一眼レフカメラのレフとは、光を反射するreflexの略です。カメラ本体の上部中央にファインダーと呼ばれる覗き窓があり、カメラを構えた先にある物をカメラの中に設置したミラーで反射させてファインダーで確認出来るようになっています。詳しくは、各カメラメーカーのHPで確認をお願いします。
フィルム一眼レフカメラの場合、このミラーの奥に「フィルム」が設置してあり、シャッターをおすことで、フィルムの前にあるミラーとシャッター膜がよけて、レンズから入った画像がフィルムに焼き付けられる構造です。
デジタル一眼レフカメラは、上記「フィルム」の代わりに、撮像素子と呼ばれる「センサー」があり、このセンサーが画像をデジタルデータに変換し、メモリに保存する流れになります。
ミラーレスカメラは、簡単に説明すると、一眼レフカメラから上記の「レフ」を無くしたもので、レンズから入った画像が直接、撮像素子「センサー」に当たり、デジタルデータに変換され、メモリに保存されるものになります。
ミラーレスカメラのファインダーが付いているものは、「センサー」で受けた画像データをファインダー内に設置されているEVFで表示しているものになります。
※EVFは、ElectricViewFinderの略で、背面の液晶モニターの小さいものがファインダー内に設置されているようなものです。
音出し無しで撮影できる
子供のお遊戯会や音楽発表会など、カメラのシャッター音が気になる時に、無音で写真が撮れるのはとてもありがたい機能です。他のビデオを撮っている方に対しても気が引けることがありませんから。
カメラ本体がコンパクトで、重量が軽い
デジタル一眼レフカメラは、構造的にミラーがあり、そのミラーを動かすシステムがある関係でどうしても重量が増してしまいます。ミラーレスは、そのミラーとミラーを動かすシステムが無い分、軽く作られています。
メインカメラのミラーレスカメラ FujifilmのX-H1が688g、
手元にあるデジタル一眼レフカメラ CANON EOS 7Dが841g、その差153g
私が所有した事のある、同じセンサーサイズのカメラで比較した場合(全てその中で最軽量で比較)
フルサイズ : Nikon D610 (850g)VS SONY α7Ⅱ(556g)ミラーレスが194g軽い
APS-C : Nikon D50 (540g) VS Fujifilm X-T1(390g)ミラーレスが150g軽い
レンズの重さは、上記の「センサー」のサイズによりところが大きく、また、性能と重量は比例して重くなる為、ミラーレス用レンズだから軽いとは言いにくいです。
オールドレンズと相性が良い
デジタル一眼レフカメラにオールドレンズ(主にマニュアルフォーカスしかないレンズ)を付けた場合、ピント合わせは、カメラのファインダー内にある合掌マークを頼りにするか、自分の目を凝らして目視してピントを合わせて、シャッターを切るしか方法がありませんでした。
ミラーレスカメラは、それまで不可能だった画面の一部を拡大表示する事が可能となり、また、ピントの合った部分を色付けして表示するピーキング機能が備わり、まさにオールドレンズの為にできたカメラのようです。
次の写真は、X-H1のマニュアルフォーカスでのピント合わせ手順になります。
三脚に固定したところから始めています。
手順1、カメラ背面のフォーカスレバーを押して、緑枠を発生させます。
赤丸のところがフォーカスレバーになります。
手順2、フォーカスレバーを動かし、ピント合わせ対象の所まで緑枠を移動させる。
手順3、次にリアコマンドダイヤルを押して、
手順4、拡大表示させる(拡大率は、同じリヤコマンドダイヤルを回して変更可能)
青丸がリアコマンドダイヤルになります
手順5、レンズのフォーカスリングを回してピントをあわせます。
事前にMFアシストの項目でピーキングに設定しておくと、
ピントの合ったところが指定した色(上の写真では赤)に光ります。
これでシャッターを押せば、ピントの合った写真が撮れます。
明るい暗いなど、出来上がりの状態を確認しながら撮影できる
ミラーレスカメラの一番の良いところは、スマートフォンと一緒ですが、見たままを写真で撮れる事です。
「なんだ、そんなことか。」と言われそうですが、デジタル一眼レフカメラから写真を始めた人にとって、一番の利点がこの見たまま撮れることになります。
それまでのデジタル一眼レフカメラでは、ファインダーで覗いて見えていた画像と、撮れる画像に差異があるのが普通でした。(上記説明内容で、デジタル一眼レフカメラのファインダーはレンズから入った画像をミラーで反射させて見えていると説明しているが、そこで見えている画像は、厳密にはセンサーで記録される前の画像である為です。)
10年位前から、ライブビュー撮影機能のあるデジタル一眼レフカメラ発売されはじめ、背面の液晶モニターで仕上がりの画像を見ながら撮影できましたが、AFが、ファインダーを覗いてのAFよりも遅くなる特徴がありました。
これは、AF方式の違いによるものです。
ファインダー撮影時のAFは、位相差方式で、合掌スピードが早いですが、ライブビュー撮影時のAFは、コントラスト方式になり、ピントの正確性は高いのですが、合掌までに時間がかかるものでした。
この時間が、もっさりとした動作に感じて、実用的でないと感じる場面が多かった記憶があります。
また、ライブビュー撮影機能の付いたカメラが発売された当初は、液晶モニターのサイズが小さかったり、解像度が低いものが多かった為、ファインダーの代わりにまではなりませんでした。
デジタル一眼レフカメラを作るなかで、技術的な進歩、製造コストの削減などが出来るようになり、今のミラーレスカメラがあるといっても間違いでないと思いますので、上にあげた使いにくかった部分は、通過しなければならなかった道だったのでしょう。
作例として、夜間のスカイツリーを撮影したものをお見せします。
デジタル一眼レフカメラの場合、ファインダーを覗いて見えているのは、その瞬間の状態で、三脚に固定した状態で、シャッタースピードを長くした場合、ファインダーで見えていた状態よりも明るく撮影できます。
また、写真の明暗に関しても、ミラーレスカメラなら見たままで撮れますので、フィルムカメラの時のような真っ白や真っ黒といった失敗写真が激減します。
実際、上のような夜景を撮影する場合、シャッターを押す前に、ファインダー(EVF)に見える撮影予定の画像が、シャッタースピード(SS)を1秒に設定したときよりも、10秒に設定したときの方が、明るく見えます。
この、撮影前に、明るさ暗さなどの撮影予定の画像が見える事が、ミラーレスカメラの一番良いところだと言えます。
まとめ
・これから始めるなら、ミラーレスカメラが良い
それは、フィルム一眼レフカメラ、デジタル一眼レフカメラよりも、撮影する時に、失敗写真を減らせる便利な機能が多いから
以上、それでは皆さん、良きカメラライフを!!